「2020年度版 報道分析の統計資料」を発表

 ㈱タカオ・アソシエイツは、報道分析の調査結果をもとに集計した記事内容などに関する「統計資料」を発表しています。 このほど2020年度(2020年4月〜2021年3月)版の集計がまとまりましたので、その概要をお知らせいたします。


 主要企業グループ*¹約110社の直近5年間の記事を分析すると、基準媒体*²における単独主役記事13万5,325件の記事1件あたりの平均スペースは199.8㎠となり、過去16年間の調査で最大でした。記事の平均スペースは、2005年に集計した147.1㎠以降、年々増加傾向にあり、この16年間で35.8%大きくなっています。スペース拡大の要因としては、①2007年12月に毎日新聞が活字を14%拡大し、他紙もこれに一斉に追従したこと、②記者の数が2009年の2万1,103人から2020年には1万7,685人と12年間で16%以上減少(日本新聞協会調べ)し、記者一人当たりの受け持ちが増えていること、③雑報、ベタ記事が減り、業界やトレンドなどを取り上げる「まとめ記事」が増えていること、④若者の活字離れに対応するため紙面のビジュアル化が進んでいることなどが考えられます。

 記事の内容については、「経営情報」「事業情報」「社会情報」の3つの大項目にわけるとともに、大項目ごとに4つ、計12の小項目をつくり、記事内容を分類しています。その結果、主要企業グループ107社の直近5年間における新聞および主要ビジネス誌(以下、紙媒体)の記事16万666件の記事内容は、新製品や事業動向などを取り上げた「製品事業」が24.3%、業界動向やイシュー、特定の企業などにスポットを当てた「解説論評」が16.0%で、この2項目で約4割を占めました。
 一方、Web(Yahoo!ニュース)の記事13万667件を分析したところ、「製品事業」が43.9%、「営業宣伝」が15.0%でした。この結果、これらの項目が含まれる「事業情報」が63.1%に達し、紙媒体の38.1%を大幅に上回りました。逆にWebでは、「経営戦略」や「人事組織」などを扱った「経営情報」がわずか9.0%しかなく、紙媒体の23.9%と比べると半分以下でした。このように紙媒体とWebでは、扱われる記事の傾向が明らかに異なっています。

 論調分析の結果を過去5年間にわたって集計すると、記事18万5,165件のうち読者に好印象を与える「プラス記事」は14.2%、ニュートラルな「一般記事」は78.1%、ネガティブな報道である「マイナス記事」は7.7%でした。また、プラス記事の内容としては、販売好調を伝える記事が24.5%、企業活動などに対する評価が19.1%、業績好調を報じる記事が17.8%でした。一方、マイナス記事は、欠陥問題に触れている記事が28.9%、業績不振を伝える記事が24.0%、不祥事が17.9%でした。

 企業が配信するニュースリリースがどのくらいの割合で記事になったかを調べると、主要企業グループ54社の直近5年間における情報発信2万7,682本のうち、記事になった割合(ヒット率)は34.5%、リリースをもとに書かれた記事が当該企業の全記事に占める割合(アウトプット占有率)は35.3%でした。このアウトプット調査を過去5年間で見ると、ヒット率は2014年の41.6%をピークに年々減少しています。また、業態別で比較すると、2020年度のBtoC企業のヒット率は33.9%であったのに対して、BtoB企業は34.7%でした。一方、アウトプット占有率は、BtoC企業が34.3%で、BtoB企業の36.9%よりやや低くなっています。

 経営トップの露出状況を調べると、主要企業グループ114社の直近5年間における記事20万5,585件(Webを含む)に露出した経営トップ(会長、社長)は245名で、経営トップが露出した記事は全記事の11.3%でした。また、記事の扱いは、人物紹介や意見などが29.1%、その人物のコメントが掲載されている記事が27.0%、決算発表や新製品発表、定例会見などで露出したものが19.8%、インタビュー記事が7.4%、その他(氏名だけの掲載など)が16.7%となっています。

 主要企業グループ111社の2020年度における広告料金換算値の月間平均額は5,070万円(基準媒体26紙誌での集計)でした。2014年に記録した9,538万円をピークに減少傾向にあり、2020年度は過去最低となりました。

 当社独自の広報効果測定値である「ETA」モデルは、2020年度は月平均106.5ポイントにとどまり、2011年度〜2013年度に190ポイント以上あったときと比べると減少が続いています。

 2015年度~2019年度の5年間にYahoo!ニュースで掲載された記事9万1,840件(媒体件数は714件)の配信元を調べると、1位はIT系総合ニュースサイトの「Impress Watch」で6.9%、2位は「時事通信」で3.5%、3位は自動車関連ニュースサイトの「レスポンス」で2.9%、4位はファッション系ニュースサイトの「集英社ハピプラニュース」で2.7%、5位は「産経新聞」で2.7%、6位はエンターテインメント系の「まんたんウェブ」で2.6%、7位は同じくエンタメ系の「ねらとば」で2.3%、8位は地域の経済情報を伝える「みんなの経済新聞ネットワーク」で1.9%でした。これら上位25媒体で、Yahoo!ニュースの記事の45.9%を占めています。



*1)調査企業:食料品、繊維製品、化学、医薬品、鉄鋼、金属製品、電気機器、輸送用機器、精密機器、その他製品、小売、不動産、証券・金融・保険、小売、運輸、情報・通信などの東証1部上場企業またはそれに準じる企業グループ約110社

*2)基準媒体:全国紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞)、ブロック紙(北海道新聞、河北新報、東京新聞、中日新聞、中国新聞、西日本新聞)、有力地方紙(新潟日報、信濃毎日新聞、静岡新聞、京都新聞、神戸新聞、山陽新聞)、産業経済紙(日経産業、日経MJ、日刊工業、ビジネスアイ)、主要ビジネス誌(日経ビジネス、週刊ダイヤモンド、東洋経済、プレジデント、エコノミスト)の26紙・誌


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