「2019年度版 報道分析の統計資料」を発表
 ㈱タカオ・アソシエイツは、報道分析の調査結果をもとに集計した記事内容などに関する「統計資料」を発表しています。このほど2019年度(2019年4月〜2020年3月)版の集計がまとまりましたので、その概要をお知らせいたします。

 主要企業グループ*¹120社の直近5年間の記事を分析すると、基準媒体*²における単独主役記事13万9,162件の記事1件あたりの平均スペースは197.6㎠となり、過去2番目の大きさでした。記事の平均スペースは、2007年度に集計した170.1㎠以降、年々増加傾向にあり、この13年間で16.2%大きくなっています。スペース拡大の要因としては、①2007年12月に毎日新聞が活字を14%拡大し、他紙もこれに一斉に追従したこと、②記者の数が2009年の2万1,103人から2019年には1万7,931人と10年間で約15%減少(日本新聞協会調べ)し、記者一人当たりの受け持ちが増えていること、③雑報、ベタ記事が減り、業界やトレンドなどを取り上げる「まとめ記事」が増えていること、④若者の活字離れに対応するため紙面のビジュアル化が進んでいることなどが考えられます。

 記事の内容については、「経営情報」「事業情報」「社会情報」の3つの大項目にわけるとともに、大項目ごとに4つ、計12の小項目をつくり、記事内容を分類しています。その結果、主要企業グループ111社の直近5年間における新聞および主要ビジネス誌(以下、紙媒体)の記事17万6,998件の記事内容は、新製品や事業動向などを取り上げた「製品事業」が23.8%、業界動向やイシュー、特定の企業などにスポットを当てた「解説論評」が15.8%で、この2項目で約4割を占めました。  一方、Web(Yahoo!ニュース)の記事11万9,141件を分析したところ、「製品事業」が41.8%、「営業宣伝」が16.7%でした。この結果、これらの項目が含まれる「事業情報」が62.7%に達し、紙媒体の38.6%を大幅に上回りました。逆にWebでは、「経営戦略」や「人事組織」などを扱った「経営情報」がわずか9.0%しかなく、紙媒体の22.8%と比べると半分以下でした。このように紙媒体とWebでは、扱われる記事の傾向が明らかに異なっています。

 論調分析の結果を過去5年間にわたって集計すると、記事17万8,103件のうち読者に好印象を与える「プラス記事」は15.6%、ニュートラルな「一般記事」は76.2%、ネガティブな報道である「マイナス記事」は8.2%でした。また、プラス記事の内容としては、販売好調を伝える記事が24.9%、企業活動などに対する評価が20.4%、業績好調を報じる記事が17.5%でした。一方、マイナス記事は、欠陥問題に触れている記事が39.3%、不祥事が17.8%、業績不振を伝える記事が19.9%でした。  企業が配信するニュースリリースがどのくらいの割合で記事になったかを調べると、主要企業グループ56社の直近5年間における情報発信2万6,072本のうち、記事になった割合(ヒット率)は35.9%、リリースをもとに書かれた記事が当該企業の全記事に占める割合(アウトプット占有率)は36.2%でした。このアウトプット調査を過去5年間で見ると、ヒット率は2014年の41.6%をピークに年々減少しています。また、業態別で比較すると、2019年度のBtoC企業のヒット率は35.4%であったのに対して、BtoB企業は36.1%でした。一方、アウトプット占有率は、BtoC企業が35.8%で、BtoB企業の36.9%よりやや低くなっています。

 経営トップの露出状況を調べると、主要企業グループ112社の直近5年間における記事22万4,456件(Webを含む)に露出した経営トップ(会長、社長)は252名で、経営トップが露出した記事は全記事の11.5%でした。また、記事の扱いは、人物紹介や意見などが28.0%、その人物のコメントが掲載されている記事が25.3%、決算発表や新製品発表、定例会見などで露出したものが21.8%、インタビュー記事が7.1%、その他(氏名だけの掲載など)が17.8%となっています。

 主要企業グループ115社の2019年度における広告料金換算値の月間平均額は6,493万円(基準媒体24紙誌での集計)でした。2014年に記録した9,538万円をピークに減少傾向にありましたが、2019年度はやや増加しました。

 当社独自の広報効果測定値である「ETA」モデルは、2019年度は月平均114.1ポイントにとどまり、2011年度〜2013年度に190ポイント以上あったときと比べると4割ほど減少しています。

 2015年度~2019年度の5年間にYahoo!ニュースで掲載された記事7万876件(媒体件数は587件)の配信元を調べると、1位はIT系総合ニュースサイトのImpress Watchで6.0%、2位は時事通信で3.8%、3位は自動車関連ニュースサイトのレスポンスで3.5%、4位はファッション系ニュースサイトの集英社ハピプラニュースで3.2%、5位は産経新聞で3.1%(SankeiBiz、サンケイスポーツを加えると5.9%)、6位はエンターテインメント系のまんたんウェブで3.0%、7位は地域の経済情報を伝えるみんなの経済新聞ネットワークで1.9%でした。また、上位25媒体で、Yahoo!ニュースの記事の半数近くを占めています。

*1)調査企業:食料品、繊維製品、化学、医薬品、鉄鋼、金属製品、電気機器、輸送用機器、精密機器、その他製品、小売、不動産、証券・金融・保険、小売、運輸、情報・通信などの東証1部上場企業またはそれに準じる企業グループ120社(うち4社はWebサイトのみの調査) *2)基準媒体:全国紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞)、ブロック紙(北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞)、有力地方紙(河北新報、新潟日報、静岡新聞、京都新聞、神戸新聞、中国新聞)、産業経済紙(日経産業、日経MJ、日刊工業、ビジネスアイ)、主要ビジネス誌(日経ビジネス、週刊ダイヤモンド、東洋経済、プレジデント、エコノミスト)の24紙・誌

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