広報計画を策定する上で大切なことは、何が課題なのかを明確にし、課題解決に向けたソリューションを実施することです。タカオ・アソシエイツは、ジャーナリストとして培ってきた豊富な経験と、外部ブレーンやPR専門家などの広範なネットワークを活用し、企業・団体の広報活動をサポートしています。そのコンサルティング領域は、報道分析やマスコミサーベイなどの各種調査から、広報・危機管理マニュアルの作成、広報セミナーの実施、そしてニュースレターやファクトブック、社史・年史などの広報ツールの企画制作にまで及び、各方面から高い信頼を得ています。
タカオ・アソシエイツがお手伝いしている帝人グループの広報活動が、2008年1月に社団法人日本パブリックリレーションズ協会主催の第7回日本PR大賞「PRアワ-ドグランプリ」でルーティン部門賞を受賞しました。
審査にあたった産経新聞編集局次長兼経済部長(当時)の鶴田東洋彦氏は、「BtoB企業をいかに消費者に理解してもらうかという点で優れていたと思います。広報とIRと宣伝の三位一体となった活動の重要性を話されましたが、それはネガティブな局面でこそ真価が問われると思います」と講評。また、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授(当時)の阿久津聡氏は、「課題の社会的な重要度は限定的であるものの、オーソドックスな手法で確実に成果を上げている点が評価できました。こうした活動はどの企業もやろうとしていることですが、意外と難しいものです」と話しています。
以前、帝人は、BtoB企業の宿命ともいうべき認知度の低さに加え、「昔ながらの繊維会社」というイメージが拭えませんでした。そこで、1999年に「広報・IR室」を設置し、広報・宣伝・IRの「三位一体」で等身大の帝人を訴求するための挑戦を開始しました。広報活動では、「情報発信の強化・拡大」「イメージづくり戦略」「メディアリレーションの拡充」の3点に注力して取り組み、認知度・好感度の向上、マスコミの注目度アップなど、大きな成果を上げました。
まず、宣伝では、フランスの女の子「カトリーヌちゃん」を起用し、変わりゆく帝人の姿をユーモアたっぷりにアピール。また、IRでは、機関投資家に対する的確な情報開示に加え、個人株主への対応も積極化し、アナリスト説明会には毎回200人以上を集めるまでになりました。
そして広報活動では、まず情報発信の強化・拡大に取り組み、ニュースリリースは1998年の32件から2006年には130件と約4倍に拡大。取材件数も2000年の346件から2006年には530件と1.5倍に増えました。また、2001年からはニュースレター「TEIJIN」を隔月で発行しており、マスコミへの情報発信とリレーションズの役割を担っています。
イメージづくり戦略では、「環境の帝人」「技術の帝人」「ガバナンスの帝人」を意識して訴求するようにしました。メディアリレーションの拡充では、まず「マスコミ懇親会」を開催。今では150名以上のマスコミ関係者が出席しており、恒例行事として定着しています。また、「帝人技術フォーラム」などを開催し、帝人に対する理解向上の大きな機会としてきました。
こうした活動の結果、記事の掲載量は1996年には1200件程度であったのに対し、2005年は2300件と、約2倍に増えました。また、「日経地球環境技術賞」や日刊工業新聞の「日本産業技術大賞 内閣総理大臣賞」、フジサンケイグループの「地球環境大賞 優秀企業賞」など、数々の賞を受賞。さまざまなマスコミのランキングでも上位に評価されるようになりました。
こうして、若手ビジネスマンの「好感度」は38%から57%に伸び、「情報発信の上手さ」についても以前の3倍以上に高く評価されるようになりました。さらに、マスコミ関係者を対象に実施した調査結果でも、「企業イメージが良くなった」が4割から7割に、「帝人の報道を目にする」が6割から8割と、いずれも大きな伸びを示すようになったのです。